前回のつづきです。この日、土曜講座がひらかれていたので聴講しました。テーマは「組み合わせでみる古墳時代馬具」。
近つ飛鳥博物館では、毎月「入門講座」と「土曜講座」がそれぞれ1回ずつひらかれます。私の知識レベルだと「土曜講座」はちょっと難しいかなと思ったのですが、「馬具のことなら飾り馬のイラストを描くとき調べたし、いけるやろう」と思って聴いてみました。しかし、やっぱり難しかった。
わかった範囲で大まかに紹介します。(ほぼレジュメの引用ですが)
1.5世紀後葉までの流れをたどります。
(「中期2」「中期3」・・・という区分は、馬具編年です)
中期2(4c後葉) 轡が出現
中期3(4c末~5c初)
轡のほか、木芯輪鐙・鉄装鞍・環状雲珠・鉸具が登場
中期4(5c前葉~中葉)
金銅装鞍、心葉形杏葉・三環鈴・馬鐸など装飾性のある馬具が加わる
中期5(5c中葉~後葉)
轡(f字形・内湾楕円形)・杏葉(剣菱形)・板状辻金具などが登場し、定型的な装飾馬装が成立。
鈴杏葉の登場、三環鈴・馬鐸の大型化など青銅製装飾に変化。
中期6(5c後葉)
以降、各種変化はあるが、基本構成となる馬具はでそろう
そして、6世紀初めに形・つくり・構造が変化したり、新しい形のものが出現してきます。
鏡板についていうと、f字形鏡板はサイズが大きく、鋲の数も多くなるし、新たに十字文楕円形鏡板が登場します。内湾楕円形鏡板は鉤金具が兵庫鎖になり、新たに環状のものが出現します。
変化の背景には「継体大王期の工房再編」がある、という説があります。
2.5世紀後半から6世紀前半の、鏡板と各種馬具の組み合わせについて。(以下の引用箇所は「後半」とか「前半」が省略されているのかな?)
雲珠・辻金具(金銅装轡に伴う)
5c f字形 環状雲珠・板状辻金具
6c f字形 環状雲珠・板状辻金具主体
十字文楕円形 鉢状雲珠・辻金具主体
※互いに主体となるもの以外も一定数存在
雲珠・辻金具(鉄製轡に伴う)
5c 内湾楕円形 環状雲珠・板状辻金具
6c 内湾楕円形 ほぼ鉢状辻金具
環状 鉢状辻金具主体。他種も一定数
鞖
5c f字形 脚一体造り
6c f字形、十字文楕円形 ほぼ脚別造り
鞖(しおで)には「脚一体造り(二脚)」と「脚別造り(一脚)」があるそうです。何がどう一体なのかとか訊かないでください。私にもわかりません。説明してくれてたかもしれないけど、この話のあたりでもう頭の処理能力が追いついてないので記憶にありません(T_T)。
杏葉
・鏡板・杏葉の強いセット関係
・・・f字・剣菱 十字文楕円・三葉文楕円
・基本的に同じつくり(技法)の製品 → 例外の存在
・新相の鏡板+古相の杏葉
レジュメに「地域的差異」って自分で書き込んでるんだけど、なんの話だったっけ。思い出せない。
3.まとめ。もうほとんど記憶がないです。寝ていたわけではなく、頭がフリーズ。
なんとか理解できたのは
基本的には転換後の各馬具が組み合うが、少数ながら古相と新相が組み合わさる・・製品製作の場とはやや距離をおいた、製品保管・組み立て・流通のありかた
ということです。
漢字だらけの記事になってしまいました。字間違いあったらすみません。
---------- 2020.04.13 追加 ----------
この記事、馬具の画像がひとつもないのが気になってました。
2020年の2月24日に近つ飛鳥博物館へ行ったとき、常設展示室の入口を入ってすぐのところの馬具は撮影可能だったので撮ってきました。