峠でひとやすみ

イラストと写真と雑記

いちごと古墳の明日香村

2月4日、立春奈良県高市郡明日香村へ行ってきました。

今回の目的は「ストロベリーフェア2024」。いちごの産地である明日香村のカフェやスイーツショップで、いちごを使ったスイーツを食べよう!という企画です。\(^o^)/

公式ウェブサイトでお店の場所とメニューを見て、飛鳥駅の近くにある「珈琲の館 御園」に行くことにしました。

せっかく飛鳥まで行くので、周辺の古墳めぐりもしようと、

吉備姫王墓と猿石→梅山古墳(欽明天皇陵)→鬼の俎・雪隠古墳→野口王墓古墳(天武・持統天皇陵)→中尾山古墳

というコースを考えました。

 

飛鳥駅のすぐ前に、「飛鳥びとの館」という観光案内所があります。観光マップが置いてあるほか、グッズや書籍、お菓子などを売っています。

飛鳥びとの館にあった「ストロベリーフェア2024」のポスター。「いちごスイーツで自分を甘やかしませんか?」と誘ってます。

観光マップをもらい、「飛鳥の考古学図録② 飛鳥の古墳」を買いました。聖徳太子と亀石などの石造物のイラストが入ったマグカップも欲しかったけど、荷物になるのであきらめました(でも帰りに買った)。

 

マップを見ながら、吉備姫王墓(きびひめのみこのはか)と梅山古墳(欽明天皇陵)へ向かいます。

欽明天皇古墳時代の終わり頃の天皇で、その子で天皇になったのは敏達天皇用明天皇崇峻天皇推古天皇です。

欽明天皇の、天皇にならなかった子のひとり、桜井皇子の娘が吉備姫王です。

ついでに書くと、吉備姫王の娘が皇極(斉明)天皇で、皇極天皇の子が天智天皇天武天皇。後で天武天皇のお墓にも行きます。

 

 

吉備姫王墓。どんなお墓なのかは知りません。(^_^;)

お墓の前には猿石と呼ばれる4体の石造物が置かれています。

元禄15年に梅山古墳(欽明天皇陵)の南側の水田で出土したもので、梅山古墳の前方部に置かれていましたが、明治5年にこちらに移されたそうです。

左の子がよくわからないので正面へ。

なんとなく怖いけど、目をそらせない感じ。

 

 

梅山古墳。6世紀後半につくられたと考えられる、墳丘長約138mの前方後円墳です。

宮内庁により欽明天皇陵とされていますが、ここより北の橿原市五条野町・見瀬町にある五条野丸山古墳は、墳丘長が318mもあり、6世紀後半ぐらいにつくられたと考えられるので、そちらが欽明天皇のお墓ではないかという説があります。

もしそうなら、こちらに眠っているのは誰なのか?白石太一郎さんは、「蘇我稲目の墓であろう」と考えておられます。(「近つ飛鳥博物館図録 大王と豪族ー6世紀の大和と河内ー」14ページ)

蘇我稲目蘇我馬子のお父さん。ちょっとドキドキする説です。

 

少し戻って、東へ。しばらく歩くと「鬼の雪隠(せっちん=トイレ)」と呼ばれる石が見えてきます。

近くにある階段を登ったところに「鬼の俎(まないた)」があり、鬼が旅人をとらえて俎の上で料理し、雪隠で用を足したという伝説があるということなのですが、実はこれ、古墳の石槨の蓋石なのです。石槨透視図から考えて、天地がひっくりかえって入口側が斜めに埋まっているんじゃないかと思うのですが、違ってたらすみません。

石槨透視図です。刳貫式横口式石槨というのだそうです。

こちらが鬼の俎。石槨の底石です。7世紀中頃か後半頃の古墳と考えられています。

この上に蓋石があって転がっていったのか?でも、あんな重そうで四角いものが、そうそう転がったりするのかな。謎。

 

さらに東へ歩きます。

野口王墓古墳(天武・持統天皇陵)です。7世紀後半につくられたと考えられています。八角墳なのですが、見てもわかりません。(^_^;) 江戸時代の絵図にも既に丸く描かれています。

鎌倉時代この墓が盗掘されたとき、内部の様子を書きとめた『阿不幾乃山陵記』によって、伝承通り天武・持統陵であることはほぼ誤りがないといわれている」のだそうです。(直木孝次郎「日本古代国家の成立」301ページ、講談社学術文庫

持統天皇は、天皇としては初めて火葬されました。

 

ここからは南方向へ。ちょっと迷いそうになったけど中尾山古墳へ。

中尾山古墳。8世紀初めにつくられたと考えられています。ここも八角墳なんですが、面影ないですね。

石槨透視図。火葬墓なので、小さな石槨。

発掘調査により、持統天皇の孫の文武天皇の墓ではないかと考えられでいますが、宮内庁文武天皇陵としているのは、別の古墳です。天皇陵あるある。

 

古墳めぐりはこれで終わって、いちごを食べに!

と、その前に、飛鳥歴史公園でトイレを借りたのですが、その近くに「飛鳥歴史公園館」という施設を発見。ゆるキャラが私を呼んでいる・・・

「たいしくん」は聖徳太子がモデルだろうけど、「あすかひめ」って誰?推古天皇かな?

たいしくんは、同時に10人の話を聞くのは無理そうだけど、小鳥の話は理解できそう。

館内には飛鳥のジオラマがあったので、飛鳥板蓋宮と蘇我さんの家を探してみました。

ママチャリで通勤するような距離だな。

 

今度こそ、いちごを食べに!

「珈琲の館 御園」へ。

「手作りいちごアイスのもなか添え」と「ベリーベリーわっふる」があり、私が選んだのは「ベリーベリーわっふる」。いちごが大きい!

さらにメープルシロップをかけて食べます。食べても食べてもまだいちごがある、という夢のような時間でした。

 

車道をはさんだ向かいにある「あすか夢販売所」で古代米とシフォンケーキ(カットした一切れで売られているもの)2個を買って、駅へ向かうと、次の電車まで20分くらいありました。それで再び「飛鳥びとの館」へ行って、聖徳太子と石造物のマグカップを買いました。

電車がすぐ来るようなら、買ってなかった。買えてよかったと帰ってから思いました。