峠でひとやすみ

イラストと写真と雑記

冬季企画展「歴史発掘おおさか2019」(3月1日に終了)大阪府立近つ飛鳥博物館

パソコンを買いかえたり、仕事のことで悩んだり(もう解決した)でブログの更新をしていなかったので、2か月近く前のネタです。

2月24日、近つ飛鳥博物館へ冬季企画展「歴史発掘おおさか2019」を見に行ってきました。

展示は3月15日まで開催の予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため博物館が臨時休館となったため、3月1日で終わりました。

2月24日時点で既にイベントは中止、講座も延期という状況でしたが、梅がきれいに咲いていて天気もよかったこともあり、親子連れや写真を撮る方々がけっこう来られていて、おだやかな早春の休日という感じでした。

 

さて、この企画展は写真撮影可。 昨年の弥生博での失敗をふまえ、ISO1600固定で撮影しました。で、手ブレはほぼ回避できたのですが、ガラス越しのせいか、ぼや~んとした感じなのは否めない。

 

展示されていたのは、弥生時代から南北朝の頃までの、23もの遺跡の出土品です。

知ってる遺跡は藤井寺のだけで、わからないことも多かったけれど、とても興味深い展示でした。

その中からいくつか紹介します。

 

 

弥生時代

国府(こう)遺跡 (藤井寺市

国府遺跡は旧石器時代からの複合遺跡で、これまでに「ナイフ形石器」や、人骨の頭部とともにみつかった「けつ状耳飾り」など、考古学史上重要な出土があったところです。

今回は、弥生時代の土器と石器が展示されていました。写真は多様な石器たち。

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出土した石器には、製品になる前のものや失敗したと思われるものが多く、製作工房があった可能性も考えられています。

 

 

東奈良(ひがしなら)遺跡 (茨木市

南茨木駅付近に広がる複合遺跡で、弥生時代に大規模な集落があったことで知られています。写真は弥生集落のほぼ中心部で出土した絵画土器です。

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古墳時代

府中(ふちゅう)遺跡 (和泉市

縄文時代から近世までの複合遺跡です。

写真は古墳時代の土壙墓からみつかった陶質土器の甕にある鳥足文(ちょうそくもん)タタキ目です。

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 鳥足文タタキ目は百済地域の土器に多くみられるものです。この甕は朝鮮半島から容器として運ばれたものが、お墓の覆いとして再利用されたようです。

 お墓は6世紀前後につくられたと考えられています。

 

 

ウトジ池古墳群(四号墳) (和泉市

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 埋葬施設の堀形から出土した須恵器の小型壺。小さくてかわいい!

赤色顔料が入っていることから、葬送儀礼をおこなう巫女さんを想像したけど、実際どんなものだったのでしょう。

 

 

古代

畑ケ田(はたけだ)遺跡 (富田林市)

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石帯と呼ばれる石の帯飾り具です。うう、私の撮影では美しさが伝わらないわ。(>_<)

裏面の穴は帯に取り付けるためのものです。一緒にみつかった土器などから奈良時代のものと考えられます。

 

 

中世

大県郡条里(おおがたぐんじょうり)遺跡 (柏原市

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 どちらも14世紀ごろの土層に埋まっていたもの。

刀子(とうす)木型は、刀子(多用途ナイフ)の製作を依頼するときに形やサイズを指定するためのものです。

 木製物差しには、タテに3本、刻み目が見えるかと思いますが、その間にも小さい刻み目がはいっています。と書いても上の写真では無理があるので下にトリミングした写真もアップします。

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中世の一寸に近い3.3cm間隔とその半分の刻み目だそうです。

一般的な村の跡などから出土するようなものではないので、生駒山西麓にあったといわれる「河内六寺」のような寺院から流されてきたものではないかと考えられています。

 

(参考:大阪府立近つ飛鳥博物館図録79「歴史発掘おおさか2019-大阪府発掘調査最新情報-」、展示パネル)